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2026.04.27 (月)
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わたしとナルトシザー | base hair 小野 智幸さま
「自分は、この仕事に向いていないのではないか」
そんな不安を抱えていた修業時代。転機となったのは、思い切って手に入れた2丁のナルトシザーでした。 決して安くはない、未来の自分への投資。しかし、手に馴染むそのハサミが、迷いを決意へと変えてくれました。
「あぁ、この仕事を一生やっていくんだ」
あの日の決意が、いかにして今の小野様を形作っていったのか。base hair 小野様のハサミと、共に歩んできた28年の軌跡を紐解きます。
■修業時代、仕事に不安を抱えていた中でハサミを購入されました。当時の想いをお聞かせください。
最初のお店のオーナーや先輩がナルトシザーを使われていたのがきっかけです。営業さんがお店に来られたときに初めて手に取ってみたのですが、「自分の手にすごくフィットするな~」と感じました。
思い切って2丁まとめてローンを組んで買ったので、当時は本当にお金がなくて大変でしたね(笑)。
■ハサミを持った瞬間に「この仕事を一生やっていくんだ」と覚悟が決まったのですか?
ドラマのようにパッと決まったわけではないですよ(笑)。使いながらお客様をカットしていくうちに、少しずつ、着実に覚悟が積み重なっていった感じです。
■今回は、小野さまと28年の歳月を共にしてきたハサミの記録を「愛用の軌跡」としてまとめました。当時を思い出しながら、一緒に振り返っていただけますか?
■ 原点とも言える最初の2丁。今も現役ですか?
もちろんです。当時は、刈り上げ以外のすべてを『スピンヘネシー』でこなしていました。今は、ちょっと刃を丸めているかな、スライドカットなどの質感調整にも使っています。もう1丁のセニングも、毛量調整、ぼかし、刈り上げ面の梳きなど、毎日使っています。本当に調子が良いんですよ。
■ 今も欠かせない相棒なんですね。では、少し時間を戻して……。自信が持てるようになった「きっかけ」は何だったのでしょうか?
自信がなかったころ、オーナーのお客様から「あなたに切ってもらいたい」と言われ、気に入っていただけた。それが本当に嬉しくて、自分にとって最初の大きな転機になりました。それから、ロンドンのサンリッツで受けた研修です。現地の理容師さんは、ハサミを1丁か2丁握りしめていて。強いこだわりを持ち、お客様からの信頼も厚い。その姿は、すべてが新鮮でした。また、色んなコンクールでの受賞も、自信に繋がる大きな経験でしたね。
■ そうして心に自信が芽生えていく中で、3丁目に『ギルビーZ唐草』を迎えられたのですね。
刈り上げ用に、ストレスを感じない少し長いハサミが欲しくなったんです。ナルトシザーは、刃と刃の重なりが滑らかで、ストレスが無いんです。お客様からも「切られている音が違う」と言ってもらえますしね。
■ 努力が不安を自信に変えていったのですね。次に購入されたのは、少し空いて2019年。この期間にはどんな歩みがありましたか?
1店舗目を辞める際、当時のオーナーからナルトシザーを1丁譲り受けたんです。ミカドラインZを買うまでは、このデラックスをバリバリ使っていました。大ベテランだけどエース格の存在でした。その後、別の店舗を経て、自分の店を構えて8年目。そのころ、建て替え前のナルトシザー工場へ見学に行きました。
■ そうだったのですね!当時は職人の作業をすぐ横で見られた時代ですね。
はい。丸茂工場長に案内していただき、ハサミ作りの凄さを肌で実感しました。当時はセニングを1丁しか持っていなかったのですが、そこで『ドレスライン』を紹介されて。すごく興味が湧いて、後日購入しました。
■ 1丁目のセニングとは、また違った用途で使われているのでしょうか?
はい、使い分けています。1丁目のセニングは「毛量調整」や「ぼかし」などに。そしてこの『ドレスライン』は、「束感」をつくるために。 セニングを使い分けるようになったのはこのころからですね。
■ 翌年2020年には、『フライングZ唐草GP』を購入されていますね。きっかけは?
SNSで金色のハサミを見て、カッコいいな!と。問い合わせたら限定品だと聞いて、さらに惹かれました。これなら新鮮な気持ちで、より気分よく仕事ができると思って購入を決めたんです。
※エルドラドシリーズのフライングZ唐草GPは現在は 販売終了しております
■ 実際に使ってみていかがですか?
今、一番気に入っているハサミです。どのハサミも平均的に使いますが、やっぱりこれを持つと気分が上がりますね。ブラントで真っ直ぐ、気持ちよく切れるんです!
■ なるほど!3丁目の『ギルビーZ唐草』とは、どのように使い分けているのでしょう。
実は、その日の気分で選んでいます。「今日はこのハサミで行くかー!」とかね(笑)。 どちらもブラント用で、真っ直ぐ切れるんですが、僕の感覚では、ギルビーZ唐草の方がより「粘っこく切れる」気がしています。
■興味深いです!それからさらに長い6.8インチ、『ミカドラインZ』を迎えられましたね。
ちょうど2020東京オリンピックの選手村で、世界中の選手をボランティアでカットしていた時期だったかな。フェードカットをする機会が多く、刈り上げを楽にできて、よりパワーのあるハサミが欲しくなったんです。
それと、このころから講習会の講師をすることも増えました。受講者が自分より先輩のこともあって、皆さんの目は自分の技術より、使っているナルトシザーに向いてしまうことがありましたね(笑)。「よく切れますよー!」なんて、ハサミの質問で会話が弾みました。
■昨年ナルトシザー展示会にお越しいただき、その後は万博へも行かれて。今年もナルトシザー展示会にお越しいただきました‼アクティブですね‼
工場見学で、自分でもナルトシザーについて説明できそうなくらい知識が深まりました。周りの同業者に説明します!笑 去年買った四梳きシェアラインは、調子が気になっていたので他のハサミと合わせて5丁研いでもらいました。全て素晴らしい切れ味に蘇りました‼今慎重に慣らしてますよ‼四梳きシェアラインの新たな使い方も開拓中です。
毎日の仕事を楽しくするために、ナルトシザーはなくてはならない存在なんです‼
■ありがとうございます!これからのビジョンについても、ぜひお聞かせください。
地域の方々とコラボしたりして、仕事をしていきたいです。自分の仕事で、周りの方々の役に立てたり、逆に引き立ててもらえたりできたら素晴らしいと思います。あとは、変わらないお店であること。いつ来ても同じ技術、接客ができるように、変わらないためには努力がとても必要だと思っております。
■最後に、今、かつての小野さんのように「自分に自信が持てない」と悩んでいる理美容師さんへ、メッセージをいただけますでしょうか。
理美容師は学ぶものが多いです。技術はもちろんのこと、接客術、ケミカル分野、人間性などなど……。 失敗したり上手くいかないときに「がんばれ」「あきらめるな」とか言うけれど、心が折れるときがあると思います。そんなときは周りにいる先輩や友達、家族に頼ることも大事になります。一人で頑張りすぎないで、大いに周りに頼ってください。自分はそれで乗り切りました。感謝しかありません。
良いこと悪いこと、たくさんの経験を重ねて、頑張ってもらいたいです。ちなみに、もう嫌になったとき、甲子園のグラウンド整備をする「阪神園芸」で働こうかなと思ったことがありました(笑)。
続けていれば、必ず上手になります。
遠回りして色々経験したほうが、意外に近道だったりしますよ。
base hair(ベース ヘアー)
埼玉県川口市中青木2-23-27
https://basehair.jp/
